バイオエコノミー
バイオエコノミー研究会
バイオエコノミー研究会はポスト化石燃料時代の農林水産業,工業,エネルギー利用,生態系を考える研究会です.20世紀中期から現在までの人間圏の急速な拡大は化石燃料に拠るところが大きく,その結果として地球温暖化をはじめとする地球環境問題が深刻化しました.バイオエコノミーとは,地表のバイオマスに依存する産業の作る新しい経済のことを指します.欧州各国を中心として今ポスト化石燃料時代の持続可能な成長戦略としてバイオエコノミー戦略が制定されています.実際の例としては,バイオマス発電,バイオリファイナリー,直交集成材(CLT),海面・陸上での完全養殖,植物工場などが挙げられます.工業の根底をなすエネルギーや素材も自然エネルギーや地表のバイオマスに大きく依存することになるので,これは農林水産業に留まらない産業と国土利用の大変換といえます.
日本はバイオエコノミーの先進国となる可能性を持っています.国土の67%を森林が占め,3万4千キロの海岸線を持つバイオマス大国だからです.バイオエコノミーの成否は人間圏と自然システムの相乗効果を如何に持続的に発揮させるかにかかっています.そこで研究会では以下のように多様なテーマを取り扱います.
・エネルギー自給,小規模分散型発電
・農林水産業の新たな動き
・バイオエコノミー新産業
・生態系保全と自然利用の高度化
・循環型経済,バリューチェーン
研究会は上記に関係する専門家をお招きし,セミナー形式で討論を重ねていきます.研究者だけでなく,多様な専門家,学生,市民の方に開かれた研究会を目指します.会を重ねつつ,今後の自然・社会のあり方について視点を形成できればと思っています.沢山の方のご参加をお待ちしております.