研究紹介

研究紹介

研究内容

地域共生計画学分野では農業・農村の持続可能な発展のための計画手法について様々な手法を用いて研究に取り組んでいます.

気候変動が農業に及ぼす影響の評価

気候変動は極端気象現象の増加により農業生産性を脅かします.また気候変動への適応は栽培暦のシフト,品種変換,水管理の変化などを伴います.比較的長期的な視野で広域を監視しないとこれらの変化を正確に捉えることができません.当研究室では複雑な相互作用を持つ作物・土地利用・水資源の関係を時系列衛星画像解析,シナリオ作成とモデリングなどを通して評価しています.

農業情報システムの構築

日本の農業は長らく稲作が中心的でしたが,近年米価の低迷,担い手の高齢化と減少,企業の参入などにより農地利用も大きく変化しつつあります.異常気象が頻発する今日,農業生産を安定させるには気象条件,土地利用に応じた柔軟な営農が必要です.農家や土地改良区,行政などにとって有用な農業情報システムの構築に関する研究を進めています.

バイオエコノミー計画学

今世界は脱化石燃料の産業革命期にあります.エネルギーは再生可能エネルギーを主体とすること,マテリアルは主にバイオマス由来のものに転換することが求められています.このような転換がもたらす経済を欧米ではバイオエコノミーと呼び,各国が国家戦略を策定しています.バイオエコノミー時代には日本の農村も大きくその姿を変えることになります.各地で増加するソーラーパネルはその象徴でもありますが,精緻な計画と合意形成に基づかなければ環境破壊となってしまいます.将来の産業の形を思い描きながら持続可能な農村の土地利用を設計する手法を模索しています.

生物多様性の保全

水稲作を中心とする日本の農村環境は湿地,草地,林地が近接する独特な生態系を育んできました.戦後の農業の近代化によってその生態系は大きな攪乱に瀕しました.今後稲作が大幅に減り,農村の土地利用が大きく変化することで,新たな攪乱が生じようとしています.どのような生物多様性を守れる農業環境の要件を明らかにする試みをしています.

地域共生システム

グローバル化,従来の価値観の変化の中で地域をどのように守り,発展させていけばよいのでしょうか.資源と制度をキーワードに様々な問題を論考しながら新しい共生システムを模索します.

修士論文題目

UAVによる複合土地利用での地表線量率の推定, 大澤 遼, 2025年3月

針葉樹材の生産と流通への影響要因, 松本萌恵, 2025年3月

積雪の影響を考慮した全国の水稲移植時期の推定, 張一凡, 2024年3月

テキスト分析を用いた被災地の社会的景観の探索, 坂原桜子,2023年3月

農地の面的蒸発散量推定への曇天の影響, JIN MENGYA, 2022年9月

時系列SAR画像を利用した水稲・大豆・耕作放棄地判別法の開発, 高山侑也, 2022年3月

時系列SAR画像を用いた圃場毎の水稲移植時期の推定, 隋岳穎, 2022年3月

森林資源管理と地域内利用のカーボンフットプリント,宋侃々,2021年3月

分布型水文モデルによる中小水力発電可能量の計量,ダニエル・ボス,2020年9月

Lバンド、CバンドSARの中山間農用地特徴捕捉精度の比較,エネルバン・アブドケリム,2019年3月

中山間地域における起業の付加価値,坂東優香,2018年3月

戦略的な集落営農のための耕地選択システムの作成,山崎萌,2017年3月

中解像度衛星画像を用いた毎筆作付判別法の開発,浅野剛,2017年3月

混住化地域における農業施設維持管理活動への住民の参加意欲,鈴木朝道,2017年3月

タイ・チャオプラヤ川中流農業地域における順応的洪水リスク管理法の開発,上野耀大朗,2016年3月

近傍条件の相互作用を考慮した都市化地域における農地保全要件の分析,東健斗,2016年3月

 

卒業論文題目

神戸市域樹林の立地と材積量の分布, 音成くるみ, 2025年3月

修正正規化水指数を用いたため池の水位変動リモートセンシングの可能性, 尾關拓海, 2025年3月

原子力災害被災自治体の復興過程と住民の認識に関する調査, 成田彩乃, 2024年3月

光学衛星画像を利用した水稲収量予測方法の開発, 大西恭平, 2024年3月

原子力災害旧避難地区における森林内空間線量率の時間変化と空間分布の解析, 大澤 遼 
2023年3月

不適正間伐林を含む森林の樹木生長量の分析, 松本萌恵, 2023年3月

多様な水鳥が飛来するため池の植生条件,藤崎綾音, 2022年3月

SAR画像を用いたため池の貯水位監視システムの構築, 森口里南, 2022年3月

福島県伊達郡川俣町山木屋地区における地域学習プログラム「山木屋学校」がもたらす効果の研究,坂原桜子,2021年3月

東播磨地域のため池環境が鳥類飛来数に及ぼす影響,森田柾成,2021年3月

小型メタン発酵装置による有機農業と畜産の連携可能性,日下部友理,2021年3月

ため池を用いたエネルギー地産地消の可能性,毛利友美,2020年3月

東播磨のため池が発揮する生態系サービスの類型化,奥松慧志,2020年3月

マルチセンサによる中山間地域の水田・非水田判別,高山侑也,2020年3月

生産緑地の維持に関する住民意識,末廣大樹,2020年3月

棚田の地理的特性と新たな利用法,舟田温子,2019年3月

持続的森林管理のカーボンフットプリント,田路真也,2019年3月

ニューラルネットワークによる時系列衛星画像分類の教師サンプリング法の検討,藤川英之,2018年3月

若年農業人材創出事業の評価,佐藤隆太,2018年3月

農村集落の構造変化とため池水利の変容,関 亜喜奈,2017年9月

地域住民の被害防除とサルの出没の空間関係,上田羊介,2017年3月

過疎農村地域の振興へのアートプロジェクトの可能性,尾崎健太,2017年3月

オーストラリア・Murray Darling川流域における水取引の作付けへの影響,小山結奈,2017年3月

アートプロジェクトによるテーマ型コミュニティの形成と地域振興への効果についての研究,坂東優香,2016年3月

里海連携の地理学的考察,山崎 萌,2015年3月

兵庫県の農用地における作付情報の構築,浅野 剛,2015年3月

アートツアーによる地域環境整備の活性化,鈴木朝道,2015年3月

時系列衛星画像を用いたタイ北部の農業生産性評価,上野耀太郎,2014年3月

多様なトンボが飛来するため池環境の条件,石田衣利子,2014年3月

セルオートマトンを用いた来遺産運動の影響評価,東 建斗,2014年3月